2019年3月20日 更新

木乃伊の読み方や語源は?木乃伊と書く理由や木乃伊の豆知識も

「木乃伊」という漢字をみて、読み方がすぐにわかる人は少ないでしょう。これは乾燥され人の死体、そうアレのことです。ホラー映画にも登場します。エジプトのものが有名です。もう分かりましたか。語源やなぜ作られたかなど「木乃伊」も謎や魅力を探ってみましょう。

目次

木乃伊とは?

Mummy Mummification Coffin - Free photo on Pixabay (111337)

木乃伊と聞いて、ある程度以上の年齢の方は昔の怪奇ドラマなどに出てきた包帯ぐるぐる巻きの怖い存在を思い浮かべる方もいると思います。エジプトの遺跡から発見されたものを思い浮かべる人もいるでしょう。

はたまた仏教に通じている方は座禅をくんでいるものを頭に浮かべるかもしれませんし、都市伝説ファンなら河童や人魚の木乃伊を一番に思いだすかもしれません。昔から人の心を惹き付けてきた木乃伊。まずは読み方や語源から見ていきましょう。

木乃伊の読み方

Books Dictionary French - Free photo on Pixabay (110212)

「木乃伊」と書いて「ミイラ」と読みます。「ミイラ」って言葉は皆さんご存じだと思いますが、漢字の方は普段あまり目にすることがないと思われますので中には「はじめて見た!」って方もいらっしゃるかもしれません。なぜ「木乃伊」と書いて「ミイラ」なのか、それは後ほどお話しします。

木乃伊の意味

Dry Rose Flower - Free photo on Pixabay (110224)

木乃伊とは人工的に、または自然条件によって乾燥されて長い年月原型のままで残っている死体のことを指します。人の死体なら通常体重の80%くらい水分があるのですがこれが50%以下になると細菌が繁殖しないようになり腐敗しないまま乾燥して木乃伊化するのです。

木乃伊化する時間はその環境によって変わりますが、鼻の先端や手足の指先から始まって数週間から数年かかることもあります。乾燥した状態で保管すると長期間原型を保つので、何世紀も前の木乃伊になった人がどんな凶器で殺されたのかも調査によって判明したりします。

木乃伊の語源

Boswellia Sacra Oman Frankincense - Free photo on Pixabay (110231)

木乃伊の語源をお話しするとき、「読み」と「漢字」ふたつの語源をお話しする必要があります。まずは「ミイラ」という読みの語源からお話ししましょう。「ミイラ」の語源は香料である「没薬(もつやく)」(ミルラ)だといわれています。

「没薬(ミルラ)」はアロマテラピーをやられる方はご存じの「乳香(フランキンセンス)」とともに古代から薬としても使われていた歴史ある薫香のひとつです。イエス・キリストの誕生の時に東方の三博士が黄金・乳香(フランキンセンス)とこの没薬(ミルラ)を捧げたとされることでも有名です。

なぜ「木乃伊」という漢字が当てられたのか

Skull Head Bone - Free photo on Pixabay (111813)

次に漢字「木乃伊」の語源です。英語でミイラのことを「Mummy(マミー)」といいます。トム・クルーズの主演映画に「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」がありますが、このマミーを音で聞いて母親(母親の意味の時はMommy)のことだと思っていた人がいました。正しくは「Mummy(マミー)」でミイラの意味です。

オランダ語では「モミイ」となり、日本でも最初は「木乃伊」をモミイと呼んでいたのです。江戸時代に日本に伝わった中国からの外来語で乾燥した死体を指す「木乃伊」。同じ時期に薬として伝わった「没薬」の読みがミイラ。おまけにエジプトのミイラには没薬が使われていたこともあり、これが混同して日本語のミイラを「木乃伊」と書くようになったのです。

どうやってできる?木乃伊にはどのようなものがあるのか

Mummy Museum Egyptian - Free photo on Pixabay (110245)

なぜか我々の心を掴んではなさい木乃伊ですが、実際にどうやってできるのでしょうか。本当に作るわけでなくても作り方を知りたいって人も多いと思います。人工的に作る場合、自然にできる場合、ケースに分けて説明しましょう。

人為的に作る

Mummy Embalming Egypt - Free vector graphic on Pixabay (110250)

人工的木乃伊は宗教的な目的で各地で作られていましたが、特に木乃伊作りに精通していたのはエジプトでした。古代エジプトで王であるファラオが死ぬと腹部を裂いて魂が宿るといわれていた心臓以外の内蔵をすべて取り出します。

鼻から鉤のついた器具を入れて脳まで掻き出した後に、脱水・乾燥のために天然の炭酸ナトリウムに浸けます。そして水分が抜けて乾燥した遺体に防腐処理として樹脂や香料を塗ってから何重にも布を巻きます。そして棺に入れて埋葬という手順でミイラを作っていました。

取り出した内臓のうち胃、腸、肺、肝臓はそれぞれ分けて4つのカノプス壺という壺に保存しました。またエジプトでは人間以外にも猫や爬虫類や鳥の木乃伊まで見つかっています。特に猫に対しては人間にするのと同じように丁寧な処理が行われていて、人間につかうのと同じ高価な防腐剤が使われていたようです。

自然にできる

People Man Alone - Free photo on Pixabay (110257)

死体が偶然に特殊な条件の中に置かれたときに自然発生の木乃伊としてそのまま保存されることがあります。自然にできる木乃伊は砂漠の砂の中で見つかるケースが多いのです。

死体が急速に乾燥する自然条件と、死体自体がもともと脱水症状で亡くなっているなどで死体の腐敗を推し進めてしまう水分がすでに死亡時に少なくなっていることが要因です。その他にも動物に内臓を食べられた後に急速に乾燥するなどすると木乃伊化することがあります。

即身仏

Buddhist Monk Sitting - Free photo on Pixabay (110268)

即身仏とは仏教の修行の中でも最も過酷とされる修行で、瞑想を続けたまま絶命しそのまま木乃伊になったお坊さんのことをいいます。エジプトの王などが死後の復活を願って木乃伊となったのとくらべ、絶命するまで瞑想を続け仏となることを望んだ即身仏を木乃伊とは言わないという意見もあります。

肉体という物質的には死体が乾燥し原型のまま残るのですから木乃伊化したといっても良いと思いますが、死後内蔵を抜き取るなどの処理をおこない薬剤などで防腐処理を行ったエジプトなどの木乃伊と即身仏が明らかに違うのは生きたまま土の中の石室に入り絶命するまで瞑想をおこなうために脳も内臓の留めたまま乾燥されるところです。

即身仏を成功させるためには生きて修行をしている時からちゃんと木乃伊になれるように身体を作っておかなければなりません。具体的には脂肪分が身体から全部抜けるような身体の作り方をするのですが、とても厳しい修行であり失敗し木乃伊になることなく朽ち果てていく例も多くあります。
Monk Hands Zen - Free photo on Pixabay (110270)

美しく成功した即身仏は仏様として人々の信仰を集めています。現代の日本においては即身仏は行われていませんし、即身仏になる修行に手を貸すと自殺ほう助という罪に問われてしまいます。

動物の木乃伊や合成ものも

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