目次
旧三井銀行小樽支店
北日本随一の金融街として機能していた小樽は、全盛期には25行の銀行が市内にありました。その中のひとつとして、建築されたのが旧三井銀行小樽支店です。この銀行は平成14年(2002年)まで、小樽市最後の都市銀行として実際に営業していました。
昭和初期に建てられてから、現在までそのままの姿を残しているため中に入るとタイムトリップしたような気分を味わえます。北のウォール街と呼ばれていたのも納得の優雅な空間が広がっている。
昭和初期に建てられてから、現在までそのままの姿を残しているため中に入るとタイムトリップしたような気分を味わえます。北のウォール街と呼ばれていたのも納得の優雅な空間が広がっている。
普段は入れない金庫の中まで
旧三井銀行小樽支店の館内には当時のままの姿が現存されています。ロビーは吹き抜けになっていて、2階部分は回廊です。回廊に沿って会議室や応接室などがあります。一番の見どころは、地下室にある重厚な大型金庫や貸し金庫ではないでしょうか?
日常では見られない銀行の裏側を隅々まで見られるので、それだけでも一見の価値あり。ここまで銀行設備を見られる場所もなかなかありません。
日常では見られない銀行の裏側を隅々まで見られるので、それだけでも一見の価値あり。ここまで銀行設備を見られる場所もなかなかありません。
広いホールでプロジェクションマッピングも楽しめる
吹き抜けになっているロビーの天井では、30分に1回プロジェクションマッピングが行われます。石膏で作られた内装に映し出されるため、繊細で美しい色彩を楽しめます。8分間に渡り映し出されるプロジェクションマッピングは、北海道の四季をイメージしてつくられたものです。
内容は季節によって変化するため、何度か訪れてみるのも良いでしょう。旧三井銀行小樽支店では外観のライトアップも施されています。内側からも外側からも、光の芸術を楽しむことができる場所です。
内容は季節によって変化するため、何度か訪れてみるのも良いでしょう。旧三井銀行小樽支店では外観のライトアップも施されています。内側からも外側からも、光の芸術を楽しむことができる場所です。
似鳥美術館(旧北海道拓殖銀行小樽支店)
最後は似鳥美術館について紹介します。この建築物は大正12年に旧北海道拓殖銀行小樽支店として建てられました。当時でも最先端技術である鉄筋コンクリート造となっています。
4階建てとなっているこの美術館では、日本画・洋画・版画など幅広い芸術作品を堪能できます。旧北海道拓殖銀行小樽支店として営業していた頃には、作家・小林多喜二氏が銀行員として働いていたことでも有名です。
4階建てとなっているこの美術館では、日本画・洋画・版画など幅広い芸術作品を堪能できます。旧北海道拓殖銀行小樽支店として営業していた頃には、作家・小林多喜二氏が銀行員として働いていたことでも有名です。
地下1階:アールヌーヴォー・アールデコ グラスギャラリー
似鳥美術館は地下1階~地上3階の、4階建てです。地下1階にはインテリアや彫刻などがメインとして展示されています。近代工芸界の巨匠でもあり、アール・ヌーヴォーの騎手でもあるエミール・ガレや、型ガラスの第一人者であるルネ・ラリックなどの作家の作品を見られます。
ルネ・ラリックは1925年に開催された美術国際博覧会において、世界中から一躍脚光をあびました。ガラスの美しさに見せられ、ジュエリー作家からガラス工芸家に転身した経歴の持ち主です。作家の歴史をたどりながら作品を見学するのもひとつの楽しみ方といえるでしょう。
ルネ・ラリックは1925年に開催された美術国際博覧会において、世界中から一躍脚光をあびました。ガラスの美しさに見せられ、ジュエリー作家からガラス工芸家に転身した経歴の持ち主です。作家の歴史をたどりながら作品を見学するのもひとつの楽しみ方といえるでしょう。
1階:ルイス・C・ティファニー ステンドグラスギャラリー
似鳥美術館の入り口でもある1階フロアは、ルイス・C・ティファニーステンドグラスギャラリーとなっています。ルイス・C・ティファニーは世界的にも有名なティファニー社の創業者、チャールズ・ルイス・ティファニーの息子です。
インテリアやステンドグラス、アートジュエリーなどさまざまな作品を残している、アメリカのアール・ヌーヴォー第一人者として知られています。
当時はガラスに色付けをしてステンドグラスを作る技法が主流でしたが、ガラスが汚れてしまうという考えから、昔取り入れられた色彩ガラスを利用してステンドグラスを作る技法を再現しました。
インテリアやステンドグラス、アートジュエリーなどさまざまな作品を残している、アメリカのアール・ヌーヴォー第一人者として知られています。
当時はガラスに色付けをしてステンドグラスを作る技法が主流でしたが、ガラスが汚れてしまうという考えから、昔取り入れられた色彩ガラスを利用してステンドグラスを作る技法を再現しました。
3階~4階:近代・現代の洋画と日本画
3~4階フロアでは近代・現代の洋画や日本画が展示されています。さまざまな画家の作品が、同じ建物内で見られるとても贅沢空間といえるでしょう。
3階の洋画展示フロアには、個性的な写実で世にインパクトを与えた岸田劉生やフランスの印象画家・ルノワールなどの作品が展示されています。
4階は日本画展示フロアとなっていて、東山魁夷や横山大観などの作品を堪能できます。風景の美しさを情緒的に描く東山魁夷や、日本の美しさを大迫力のスケールで描く横山大観。画家によって表現の仕方を見比べてみるのも楽しいはずです。
3階の洋画展示フロアには、個性的な写実で世にインパクトを与えた岸田劉生やフランスの印象画家・ルノワールなどの作品が展示されています。
4階は日本画展示フロアとなっていて、東山魁夷や横山大観などの作品を堪能できます。風景の美しさを情緒的に描く東山魁夷や、日本の美しさを大迫力のスケールで描く横山大観。画家によって表現の仕方を見比べてみるのも楽しいはずです。
小樽芸術村を訪れたあとは小樽運河を散策!
via pixabay.com
小樽を代表する観光名所のひとつである小樽運河。季節を問わず、私達に素晴らしい風景を見せてくれます。この場所は北海道開拓の玄関口として荷受けがしやすいよう整備し、大正12年に完成しました。
小樽港が整えられたことで、荷揚げ場所としては使命は終了しましたが、運河沿いの倉庫はそのまま現存させレストランなどの観光資源として利用されています。運河沿いにあるガス灯がともると、ノスタルジックな雰囲気が漂う場所です。
小樽港が整えられたことで、荷揚げ場所としては使命は終了しましたが、運河沿いの倉庫はそのまま現存させレストランなどの観光資源として利用されています。運河沿いにあるガス灯がともると、ノスタルジックな雰囲気が漂う場所です。
情緒あふれる小樽の街並みを堪能
千歳空港から電車で30分ほどの場所にある小樽は、ノルタルジックな建物が多く現存しています。小樽芸術村に立ち寄って、当時の歴史や美術品を堪能するのが一番のおすすめですが、時間が無い時には市内を散策するのも良いでしょう。情緒溢れる北の大地・小樽に一度は足を伸ばしてみませんか?
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