2019年3月3日 更新

尻子玉の意味とは?河童との関係や正体と猫娘の話題のシーン

尻子玉というものを知っているでしょうか。アニメ番組「ゲゲゲの鬼太郎」において「河童の働き方改革」という放送回があったのですが、人気キャラクター猫娘が尻子玉を抜かれそうになるシーンがあり、とっても可愛かったと話題になっています。河童が人間から抜きとるという尻子玉とはいったい何なのでしょうか。

尻子玉の意味とは?

Kappa Dragonfly - Free photo on Pixabay (85785)

普段なかなか聞くことのない「尻子玉」という言葉。河童と関係が深いという尻子玉とはいったい何かについて見ていきましょう。

尻子玉の意味

Beach Model Ocean - Free photo on Pixabay (85991)

尻子玉とは人間の肛門の中にあるといわれる架空の臓器です。宝玉の様なものという説もあります。人間が水辺を歩いていたり、川で泳いで遊んでいると河童にこれを抜かれるといわれています。

また、一説には河童が子供と相撲をとって相撲に負けた子供から抜くともいわれています。尻子玉を抜かれると、抜かれた人間は抜け殻のような腑抜けになったり、死んでしまうともいわれています。

河童が尻子玉を抜く理由としては好んで食べるという説と、龍神への捧げ物にするいう説があります。これは龍神が水神であり、龍が宝玉を持っているなど「玉」と関係する話が多くあるためかのしれません。

水難事故対策の伝説?

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毎年、夏になるといろいろな水難事故のニュースが耳に入ってきます。人がおぼれた、子供が川で流されたといった事故が毎年の必ず聞こえてきます。いま五十代くらいの人が子供の頃には川辺に河童のイラストの入った水難事故防止のための看板が立っていたものです。

子供が川で遊ぶと言うと大人達は「河童に尻子玉を抜かれるぞ」と脅かしていました。子供ながらに「何を非科学的なことをいってるんだろう」と心のどこかで思いながらも、河童怖さにあまり深いところには近寄らないようにしたりしていたものです。

きっと川の流れが急なところなどで子供が遊んでは危ないということを恐怖を通して教えていたのでしょう。昔からの伝説や言いつたえには経験的に培った様々な知恵というようなものがあって、川に近づくとき、川で泳ぐ時には注意が必要ということを伝えるための知恵として河童という伝説の生き物が上手に利用されてきたのだと思われます。

尻子玉の由来や本当の正体は?

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人間がそれを抜かれると腑抜けになるといわれる尻子玉。なぜそれを抜かれると腑抜けになってしまうのか。そもそも尻子玉の正体とはいったい何なのでしょうか。

溺死者の見た目が由来

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溺死した人の死体は括約筋が緩んでいて肛門がまるで何かを抜かれたように広がっていることから、昔の人は「これは河童がそこから手を入れて何か内臓を引きずり出したに違いない」と考えたことが由来だといわれています。

ここから河童が泳いでいる人間から尻子玉を抜き取り溺れさせると伝承されていったようです。

尻子玉を抜かれると腑抜けになる

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河童に尻子玉を抜かれたら腑抜けになってしまうと昔の人は信じていました。「腑抜け」の「腑」ははらわた、つまり内臓のことを指します。「五臓六腑」の「腑」と同じです。それら内臓全体を指す言葉が「肝」。「肝試し」が胆力、気力、精神力を試すことを指すように、内蔵は人間の魂が宿るところとされていました。

内臓のひとつである尻子玉を抜かれることは、精神力を抜き取られる、魂を抜かれること。つまり「腑抜け」になってしまうと考えられていました。

河童の好物はキュウリと尻子玉

Animal Anthropomorphized Animals - Free vector graphic on Pixabay (85816)

河童は子供ほど大きさで、からだの色は緑色または赤色といわれています。頭にはご存じの『お皿』があり、いつも水で濡れています。このお皿は河童にとっていちばんの急所で、お皿が割れたり乾いてしまうと能力をなくすだけでなく、死んでしまうともいわれています。

口には短いくちばし、背中には亀のような甲羅があり、手足の指には水かきがあるといわれています。また河童のからだは不思議な構造をしていて片手を引っ張ると反対側が縮んで、引き続けると抜けてしまうともいわれています。そんな河童について詳しくみていきましょう。

河童の起源

Japan Kyoto Shimogamo Shrine - Free photo on Pixabay (85822)

河童の伝承は日本全国にあるとされていますが、その起源は東日本と西日本で説がまるで違っています。主に中国から渡ってきた妖怪とする西日本に対して、東日本の河童は日本生まれです。

日本で発生した河童の起源としては、大昔の大工が神社などを建築する時に藁を編んで作った草人形だとされています。大工達はこの草人形に魂を吹き込み仕事を手伝わせたといわれていて、その草人形は意識も持っていたようです。でも仕事が終わるとそれらは川に流されてしまい、その流された草人形が河童となったという説があります。

それに対して、中国から伝わったという説の中でも有名なのが中国神話の中の黄河の水神「河伯(かはく)」を河童の起源とするものです。河伯は人の姿をしていますが白い龍といわれています。人間が仙人となり水神となったと伝えられていて生け贄に女性を求め、それが途絶えると黄河を氾濫させるといわれています。
Miyazaki Qingdao - Free photo on Pixabay (85828)

この河伯が日本に伝わり河童となったそうです。河伯をカッパと読ませることもあります。先にも書いたように河伯は龍神であり、河童も水神と関係するため河伯と河童がつながったのかもしれません。ちなみに西遊記で三蔵法師や孫悟空と一緒に旅をする沙悟浄は日本においては河童として描かれていますが本来はこの河伯であるということです。

河童の大好物

Cucumbers Salad Vegetables - Free photo on Pixabay (85832)

一般的に河童はキュウリが好物とされていますが、古い言い伝えでは河童は人の生き血を吸ったり、馬を食べたり、尻子玉つまり人間の内臓を食べるとされてきました。このかなり肉食の河童がなぜキュウリを食べるようになったのか。

それはキュウリが人の味と似ているからだという説があります。むかし河童が捕獲されたという話も多くあり、当時の河童もわざわざ捕まるリスクを冒してまで人間を襲わなくてもキュウリを食べることを覚えて生きながらえたというのがこの説にあたります。

また、水神の好物がキュウリだったため、河童もキュウリを好むと考えられるようになったという説もあり、実際に水神への供物はキュウリだったようです。ちなみに河童の好物がキュウリだということから、キュウリの巻き寿司をカッパ巻きと呼ぶようになりました。

河童に尻子玉を抜かれるとは?

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