2019年8月21日 更新

ルッキズムの意味とは?日本や韓国にこの傾向が強い?理由は?

ルッキズムとは外見の善し悪しによって人を判断する外見至上主義を意味する言葉です。韓国の影響を受けて、最近では日本でもルッキズムの傾向が強まってきました。この記事ではルッキズムの具体例や、女性嫌悪(ミソジニー)との関わりについて解説しています。

目次

ルッキズムの影響で皆同じ容姿になる

Beauty Barbie Pretty - Free photo on Pixabay (572780)

最近SNSなどでよく「ルッキズム」という言葉を見聞きするようになりました。ルッキズムとは外見だけによって人を判断する悪しき風潮であり、もちろん男性を抑圧することもありますが、それ以上に世の女性たちを陰に陽に抑圧し、自由や個性を奪ってしまうものです。

ルッキズムがはびこることによって、女性たちは「美しくなければ価値がない」「人から愛され大切にされるためには外見を磨かなければならない」という強迫観念に駆られ、時には美容整形に手を出しては依存してしまいます。

このような悪しき圧力を社会から陰に陽に受けることで、多様性も個性もなく、無個性で画一的なルックスに皆近づいてしまうのが現代社会の闇だと言えるでしょう。

ルッキズムとは

Woman Mirror Psyche - Free photo on Pixabay (572781)

もちろんいつの時代も、優れた容姿を持つ美男美女が社会から注目を集めるのは普遍的なことなのかもしれません。ですが、現代のそれは明らかにそれ以前の時代とは一線を画しています。

SNSが普及し自撮りが一般的になった現在では、人々は必要以上に自分の容姿に関心を持ち、また加工された芸能人の写真と自分のそれとを比べては、一喜一憂してしまうのです。

ルッキズムの蔓延は、現代ならではの時代性だと言えるでしょう。では、そもそもルッキズムとはどのような意味を持つ言葉なのでしょうか。ここではまず、ルッキズムの基本的な意味や事例についておさえておきましょう。

外見至上主義

People Woman Grown Up - Free photo on Pixabay (572836)

ルッキズム(lookism)は、一般的には「外見至上主義」と訳される英単語です。外見を意味する「ルック」に「~主義」を意味する「イムズ」がくっついた造語でもあります。

ルッキズムとは、人々の外見に優劣をつけ、外見が劣るとされる人に差別的かつ排除的な扱いをする外見至上主義のことです。つまり、外見さえよければ全てよく、外見が悪ければそれだけでダメな人間として不当に扱われてしまう現代的な現象を意味するとも言えるでしょう。

人種や性別による差別に対しては世界的に反対の機運が高まっていますが、外見よる差別に関しては、残念ながら人種・性別などの属性に比べるとまだまだ人々の間でその不当性が十分に認識されていないのが現実です。

身体的魅力が他者評価に結びつく様

Hand Human Partnership - Free photo on Pixabay (572839)

ルッキズムとは、スタイルがよい・顔の造りが整っている・肌が美しいなどの身体的な魅力が他者からの評価に直結してしまう様子を意味する概念でもあります。

たとえば、一般的に美男美女というカテゴリーに含まれる人々はそのルックスだけで「彼・彼女は素晴らしい人だ」とポジティブな評価を受け、外見が劣っているとみられる人々は「あいつらはダメなやつだから雑に扱ってもいい」と、性格や才能などを一切考慮されずに不当な評価を受けてしまうことになります。

つまり、ルッキズムとは人の内面を全く考慮することなく、表面的なものだけで一方的に決めつけを行い、評価を下してしまうとても危険なものだとも言えるでしょう。

外見によって会社や学校で正当に評価されにくくなる現象

Worried Girl Woman Waiting - Free photo on Pixabay (572840)

ルッキズムがはびこると、学力や能力ではなく外見によってすべてが評価されてしまうことになります。たとえば、美男美女であるというだけで、たとえ何の才能も能力もなく、努力さえも怠っていたとしても、上司や取引先、あるいは教師などから贔屓をされて、不当に高い評価を得ることでしょう。

反対に、世間で言う「ブス」や「ブサイク」のカテゴリーに入る人々は、どんなに頑張って成果を出したとしても、「あの人は見た目がよくないから」というだけで、努力や能力に対して正当な評価を与えてもらうことができません。

つまり、ルッキズムは社会に不平等と不公正をもたらしてしまうのです。

韓国はルッキズム傾向が強く整形大国

Julia Roberts Republic Of Korea - Free vector graphic on Pixabay (572844)

世界の中でも、特に韓国は頭抜けてルッキズムが強い国であることで有名です。「外見さえよければそれでよい」「外見がよくなければ全てがダメになってしまう」という考え方が社会全体にはびこっているため、人々は「美しい」とされる容姿に自分を近づけるべく、美容整形を受けるように陰に陽に社会から圧力を受けているのです。

多くの就活生は就職先を得るために美容整形を受け、面接官受けするルックスを手に入れようとしていますし、10代の少年少女にまで美容整形は浸透してしまっています。

実際、韓国の街を歩くといたるところに美容整形の広告があるのを目にしますし、美容整形病院の多い江南地区には整形手術を受けた直後の女性たちが包帯を巻いたまま堂々と街を闊歩しています。

韓国の影響を受け日本でもルッキズム傾向が強くなる

Beautiful Asian Woman - Free photo on Pixabay (572851)

数年ほど前まで、日本においては美容整形というのは一種のタブーであり、「特殊な人々」だけが受ける禁断の手術という認識が一般的でした。

しかし、隣国・韓国の影響を受けて日本でも数年前からルッキズムの傾向が強まり、それによって美容整形に対する心理的なハードルが下がってきています。

その要因のひとつに、K-Popアイドルの影響が挙げられるでしょう。K-Popアイドルの多くはデビュー前に何らかの美容整形を受けていると言われています。
Girl Disco Nightclub - Free photo on Pixabay (573408)

日本では10代の少年少女から50代・60代に至るまで、幅広い世代にK-Popファンが多くいますが、彼ら・彼女らは整形手術を受けたと噂されるK-Popアイドルたちのビフォー・アフターの写真を目にし、憧れのアイドルが整形手術を受けていることにショックを受けつつも、「こんなに素敵になれるのなら整形も悪くない」と考えるようになるのです。

また、憧れのアイドルに近づくべく、美容整形を受ける日本人ファンも増えてきたと言われています。現に、SNSを見ると韓国人アイドルを目標に掲げた、いわゆる「整形垢(美容整形専用のアカウント)」も多く存在しているのです。

日本の芸能界でも韓国の影響を受けて、整形を受けたことをオープンにする芸能人が増えてきており、それによって一層ルッキズムに拍車がかかっていると言えるでしょう。

ルッキズムの影響

Woman Girl Beauty - Free photo on Pixabay (572946)

以上では、ルッキズムの意味とその具体的な事例についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。読者の皆さんのなかには、「そういえば自分は他人のことをルックスという表面的な要素だけで判断していたかもしれない」「見た目の善し悪しにばかり囚われている」と感じた方もおられるのではないでしょうか。

もちろん、人のルックスに注目してしまうのは人間の習性的な部分もあることでしょう。ですが、それが肥大してしまうと、外見至上主義に陥ってしまいます。

ここからは、そんなルッキズムの悪しき影響や問題点についてチェックしていきましょう。

外見の良し悪しによって不当な評価が下る

Horizontal Justice Right - Free image on Pixabay (572856)

ルッキズムの影響としてまずご紹介したいのが、外見の良し悪しによって不当な評価が下ってしまうということです。美男美女であればそれだけで不当に高い評価を得、「ブス」や「ブサイク」であればそれだけでネガティブな評価を受けてしまいます。

このことは、一見すると優れた容姿を持つ人々にとってはメリットであるかのように思えるでしょう。ですが、突き詰めて考えればそれは違います。

実力も能力もないのに外見が優れているというだけで高い評価を得ると、その人物は自分の本当の能力と評価とのギャップに苦しんでしまうでしょうし、時には自分は能力的にも優れていると勘違いをして、必要な努力を怠り成長の機会を逸してしまうからです。

1 / 5

関連する記事 こんな記事も人気です♪