2019年3月24日 更新

同調してしまう心理とは?日本に潜在する同調圧力を心理学で読み解く

日本では自分とは違う意見であっても、周りの空気を読んで多数派に同調してしまうことが多いと言われています。また、そのように多数意見に合わせるような暗黙の強制を同調圧力と言います。同調の意味や同調してしまう心理について、心理学の観点から読み解いていきましょう。

目次

同調の意味とは

Group Team Outsider - Free image on Pixabay (120024)

同調という言葉を聞いたことがあるでしょうか。なんとなく意味は分かるけれど、実際にはどういう状態のことをいうのか、はっきり分からないという人もいるかもしれません。

また、言葉は知らなくとも、知らず知らずのうちに自分のとっていた行動が同調だったということもあるでしょう。同調とはどういうことか、ます言葉の意味から説明していきましょう。

同調の意味

Boys Scout Scouting - Free photo on Pixabay (120030)

同調とは、本来調子を合わせることを言います。周波数を合わせたり、振動を合わせることも同調です。それでは人間関係においての同調とはどういう意味でしょうか。

他の人の意見に合わせる、賛同することを同調と言います。
Yes Cards Spiral - Free image on Pixabay (121074)

同調という言葉は、自分も同じ意見だからというより、集団の中で違う意見を持っていても、周りからの期待に沿うために、多数の意見に自分の考えを合わせてしまうという意味合いになります。

その意見が本当に正しいかどうかというより、みんなと同じであることが重要であるという理由から、多数派の意見に合わせてしまうことを言います。

同調の類義語

Typewriter Vintage Write - Free photo on Pixabay (120038)

同調の類義語を考えてみましょう。辞書などでは、同意、協調、迎合などの言葉が類義語として載っています。どれも基本的には相手の意見に賛同するという意味を持ちます。

しかし、自分を抑えて他者に合わせるという意味での同調の類義語としては、服従、追従なども挙げられるでしょう。

同調の対義語

Duality Opposites Meditation - Free image on Pixabay (120046)

それでは同調の対義語は何でしょう。反論、反駁などが挙げられます。どちらも、意見に対して背くという意味があります。みんなと同じであることに反対するということです。

背く、反対するというと、ネガティブな印象を与えますが、実際は多くの意見に流されず、自分の考えを主張するという意味になるので、ある意味前向きな言葉とも捉えられます。

日本文化の影響も?日本人が同調しやすいと言われる理由

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日本人は欧米諸国の人々と比べ、自己主張をすることがあまり上手ではなく、他の人の意見に合わせてしまうことが多いとも言われています。

実際にはすべての人にそのような傾向があるとは言えませんが、周囲との対立を避けようとするために、周りと同調してしまうというケースは多いかもしれません。

それではなぜ日本人は欧米人に比べて同調しやすいと思われているのか、その理由について考えてみましょう。

和を重んじる文化があるから

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日本では古くから、個人としての個性より、秩序を守ったり集団としての和を重んじることが美徳とされてきました。それが日本の和の文化だとも言われています。

自分より、他人を配慮することが人としての慎ましさであり、和を乱すことは良くないとされる考え方は、秩序のある社会を作るという考え方においては素晴らしいことです。
Japanese Umbrellas Umbrella - Free photo on Pixabay (120776)

しかし、時にはそれが他と違うことをすることに対する批判や、周りと同じでなければいけないという強迫観念を生んでしまうことにもなるでしょう。

他と違うことをすることが悪であるというような、歪んだ和の精神は、皆と同じであるべきだという同調の心理への理由の一つとなっているとも言えます。

校則や制服など全員が同じ条件を課される機会が多いから

Model Shenzhen Polytechnic Good - Free photo on Pixabay (120065)

日本では制服の着用が決まっている学校が多いです。これは、みんなが同じ服装をすることで、同じ学校であるということを自覚し、内集団意識を高める作用もあります。

これが一人だけ違う服装だったらどうでしょう。なんとなく、異質感や疎外感を味わうかもしれません。同じ学校の生徒なのだから同じ制服を着ることが当然とされていることが、周りと同じであることを求めてしまう日本人の意識の根源になっているとも言えます。
Asian School Children Student - Free photo on Pixabay (120772)

また、学校の校則で髪形や持ち物なども規制されることがあります。これは集団を画一化して統制するためには便利なものですが、個人の個性を奪ってしまう怖れもあります。

規則によって同じであることを求められる環境で生活していると、みんなと同じことが当たり前だという感覚になり、他と違うことで不安感を持ってしまう原因となるかもしれません。

島国でほぼ単一の民族で構成されているから

Island Dawn Dusk - Free photo on Pixabay (120069)

ヨーロッパの国々などは他の国と地続きなため、違う民族同士の交流が比較的容易です。そのため、自国の文化だけでなく、他の文化と触れ合うことも可能です。

違う文化や人々との交流があれば、自分とは違うものがあることも当然のこととして存在します。そのような中では、他と違うということが当たり前のことであり、皆が同じである必要は求められていません。

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