2019年7月1日 更新

エリサ・ラム事件の真相と考察!エレベーターの動画は逆再生だった?

エリサ・ラム事件とは、2013年にアメリカで起きた女子大生の怪死事件です。「女性の死は霊の仕業」「女性が映った映像を逆再生すると真相が分かる」などの奇妙な考察もありますが、本当なのでしょうか?今回は、謎めいたエリサ・ラム事件の真相に迫ります。

エリサ・ラム事件とは

Staircase Body Corpse - Free photo on Pixabay (436845)

エリサ・ラム事件とは、2013年2月にアメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスにあるセシル・ホテルで起きた女子大生の怪死事件です。

当時、カナダのブリティッシュコロンビア大学の学生だったエリサ・ラムが、アメリカを旅行中に失踪、ラムが最後に目撃されたロサンゼルスのセシル・ホテルを中心に捜索が行われましたが、ラムは一向に見つからりませんでした。

ラム失踪から2週間後、ホテルの客から「水道の水が出ない」「水の色がおかしい」などという苦情が相次いだため、警察がホテル屋上の貯水槽を捜索したところ、変わり果てた姿のラムが発見されました。
Hand Silhouette Shape - Free photo on Pixabay (436847)

検死の結果、警察はラムは誤って貯水槽に転落して溺死したのであり、事件ではなく事故であると結論づけます。ラムが精神障害を患っていたことが警察の見解の根拠となりました。

事件は解決したかに見えましたが、ホテルの監視カメラに残っていたラムの生前の映像が動画サイトで公開されると、その映像の奇妙さから再び注目を集めることになります。

果たしてラムの死は本当に不慮の事故だったのでしょうか? 今回は、謎めいたエリサ・ラム事件の真相に迫ります。

エリサ・ラム事件の不可解な謎

Gang Dark Gloomy - Free photo on Pixabay (436849)

前述の通り、エリサ・ラム事件が世間に注目されるきっかけとなったのは、ホテルのエレベーターの監視カメラに残された亡くなる直前のラムの映像です。この映像のラムの行動があまりに奇妙だったことから、人々の関心を集めました。

さらに映像以外の部分でも事件には解決されていない謎があると言われています。以下でエリサ・ラム事件の不可解な謎について解説します。

エレベーターでの奇妙な行動は何を意味するのか?

Hand Woman Female - Free photo on Pixabay (436850)

監視カメラに残っていたエリサ・ラムの行動は実に奇妙なものでした。エレベーターに乗り込んできたラムは突然エレベータのボタンをいくつも押します。しかし、扉が一向に閉まらず、エレベーターは動き出そうとしません。

ラムは扉から身を乗り出して辺りをうかがうような仕草を見せた後、再びエレベーターに入り、なぜか身を隠すような素振りを見せます。

もう一度エレベーターのボタンを押しますが、扉は閉まらず、今度は完全にエレベーターから出て、さらに奇妙な行動を見せます。誰もいない空間に向かって話しかけているかのような素振りを見せ、さらに怪しげなハンドジェスチャーを行います。
Portrait Grim Girl - Free photo on Pixabay (436851)

その後、ラムは諦めたかのようにゆっくりとした足取りでエレベーターから離れていきました。エレベーター内でのラムの行動は全体的に落ち着きがなく、まるで誰かに追われているかのように見えると主張する人もいます。

この奇妙な映像が動画サイトで拡散されたことで、事件に対するさまざまな憶測が飛び交いました。動画を逆再生するとラムの動きの意味が分かるなどという根拠のない噂もありますが、現在ではラムの行動は特に奇妙なものではないと言われています。

先に解説した通り、ラムは精神障害を患っており、何種類かの薬を服用していました。死の直前にそれらの薬を過剰摂取していたことが検死結果から分かっています。ラムの落ち着きのない行動は精神障害と薬の過剰摂取が原因だと見られています。

なぜエレベーターの扉が閉まらなかったのか?

Girl In The Elevator Photoshoot - Free photo on Pixabay (436855)

映像の中では実に2分以上もの間、エレベーターの扉が閉まらず、ラムが落ち着きのない仕草を見せる一因になっています。このことから、何か霊的なものがエレベーターの動きを止めているのではないかというオカルトめいた主張をする人まで出てきました。

しかし、現在ではエレベーターの扉が閉まらなかった原因ははっきりしています。動画の最初でラムがエレベーターのボタンを次々と押していく場面がありますが、映像をよく見てみると、ラムが最後に押しているボタンは「HoldDoor」です。

HoldDoorとは、日本のエレベーターの「開」ボタンに相当するものであり、セシル・ホテルのエレベーターのHoldDoorは、一度押すと扉がしばらく開いたままになる仕様でした。
Elevator A Beautiful View Building - Free photo on Pixabay (436852)

ラムはそのことに気づいておらず、もう一度ボタンを押しますが、このときもHoldDoorを押してしまっていることが映像から確認できます。

エレベーターの奇妙な動作は、霊的なものが関与しているわけではなく、単なるエレベーターの仕様だったのです。

どうやって貯水タンクのある屋上に行ったのか

Architecture Buildings - Free photo on Pixabay (436857)

エレベーターの映像の謎が解けたとしても、ラムがどうやって貯水タンクのある屋上に行ったのかという謎が残ります。貯水タンクのある屋上の扉は鍵がかけられており、宿泊客の侵入は不可能でした。

仮に強引に鍵を開けたとしても警報が鳴るはずであり、ラムが単独で屋上に侵入することはできないはずだと主張する人がいます。しかし、実は屋上への出入り口は1つではありませんでした。

ホテルの非常階段を使えば屋上に難なく侵入できることが判明したのです。さらにラムが見つかった貯水槽の蓋が普段から空いていたことも指摘されています。ラムが自ら屋上に侵入して貯水槽に誤って転落した可能性は、十分あり得ることが証明されたのです。

エリサ・ラムとはどんな人物だったのか

Composing Woman Fantasy - Free image on Pixabay (436859)

先に解説した通り、ラムは精神障害を患っており、ラムの持病が事件の一因になったと考えられています。ラムが患っていた病気は双極性障害と抑鬱症であり、医師からいくつもの薬を処方されていました。

家族はラムの病歴を秘密にしていましたが、ラムはブログで自身の病気に言及しており、相当悩んでいたことがうかがえます。また、事件前にはセシル・ホテルで病気が原因と思われる奇妙な行動を起こし、他の宿泊客からホテルに苦情が出ていました。

警察もラムの行動には双極性障害が大きく関係していると見ており、警察が「事件ではなく事故」だと結論づける根拠になっています。

セシル・ホテルで起きた事件

Bed Linen Sheets - Free photo on Pixabay (436862)

エリサ・ラム事件が世間の注目を浴びた原因の1つは、事件の舞台がセシル・ホテルだったことです。実はセシル・ホテルは、過去にもさまざまな事件と関わりを持ってきたいわくつきの場所です。

以下で過去にセシル・ホテルで起きた事件を取り上げて解説します。

ブラック・ダリア事件

Killer Horror Jimmy - Free photo on Pixabay (436863)

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