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長崎で行われる「精霊流し」では爆竹が鳴り響く!?
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精霊流しは、長崎や佐賀、熊本の一部地池で現在も続いている風習です。かつては日本のあちこちで行われていたようですが、時代が進むにつれて次第にされなくなりました。
長崎県の精霊流しは、爆竹が鳴り響くかなり騒がしい行事のようです。これには、長崎県ならではの歴史が関係していると言われています。今回は、爆竹が使われるようになった経緯も含めて、長崎県の精霊流しについて解説します。
長崎県の精霊流しは、爆竹が鳴り響くかなり騒がしい行事のようです。これには、長崎県ならではの歴史が関係していると言われています。今回は、爆竹が使われるようになった経緯も含めて、長崎県の精霊流しについて解説します。
精霊流しとはどんな行事?
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九州で生まれ育つと精霊流しに参加したことがある人もいるかもしれませんが、多くの人にとってはあまり馴染みのない行事です。
まずは、精霊流しがどのような行事であるのかを紹介します。
まずは、精霊流しがどのような行事であるのかを紹介します。
お盆の季節・8月15日に行われる
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精霊流しが行われるのは、毎年お盆の時期である8月15日です。そもそも、お盆というのは、祖霊信仰と仏教を信じるにつれて採用されるようになりました。
かつては太陽暦の7月15日に行われていましたが、新暦を採用した際、農繁期と重なってしまうことから8月15日に行う地域が多くなりました。お盆の時期には各地で迎え火や送り火を焚いたり、盆踊りをしたりする風習が残っています。
長崎県の精霊流しもその風習のうちの1つとして考えられています。
かつては太陽暦の7月15日に行われていましたが、新暦を採用した際、農繁期と重なってしまうことから8月15日に行う地域が多くなりました。お盆の時期には各地で迎え火や送り火を焚いたり、盆踊りをしたりする風習が残っています。
長崎県の精霊流しもその風習のうちの1つとして考えられています。
故人の魂を弔って送る行事である
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精霊流しという行事は、他の地域のお盆の時期に行われるものと同様に、故人の魂を弔い、送るという意味が込められています。
日本でいつからどのようにお盆ができたのかは明らかになっていませんが、1年に2度先祖の霊が子孫の元に帰ってくると信じられており、その2度目がお盆の時期と言われています。
普段はあの世にいる先祖の霊が、この世に戻ってくるため、故人のことを想いながらあの世で幸せに暮らせるようにと願いながら送るものです。
日本でいつからどのようにお盆ができたのかは明らかになっていませんが、1年に2度先祖の霊が子孫の元に帰ってくると信じられており、その2度目がお盆の時期と言われています。
普段はあの世にいる先祖の霊が、この世に戻ってくるため、故人のことを想いながらあの世で幸せに暮らせるようにと願いながら送るものです。
精霊流しではどんなことが行われるのか?
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精霊流しが、なぜ行われているのかが分かったところで、精霊流しの最中に行われることについて紹介します。
果たして長崎で行われている精霊流しでは、どのようなことが行われているのでしょうか。
果たして長崎で行われている精霊流しでは、どのようなことが行われているのでしょうか。
もやい船を運ぶ もやい船とは?
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精霊流しでは「精霊船」と呼ばれる船に見立てた山車を皆で運びます。この精霊船に乗って、あの世へと帰っていくとされています。精霊船には2種類あります。
その1つが「もやい船」と呼ばれるものです。これは自治会などのグループで材料やお金を集め、それに協力した人の祖先はもやい船に乗せることができます。
このもやい船が大きいほど、そのグループの力の大きさを表すとされ、競うようになるべく大きい船を作ろうとしていました。
その1つが「もやい船」と呼ばれるものです。これは自治会などのグループで材料やお金を集め、それに協力した人の祖先はもやい船に乗せることができます。
このもやい船が大きいほど、そのグループの力の大きさを表すとされ、競うようになるべく大きい船を作ろうとしていました。
個人船を運ぶ 個人船とは?
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精霊船のもう1つの種類は「個人船」です。これは個人や家族でお金を出し、船を用意するというものです。規模にもよりますが、大きければかなりの額となるため、簡単に個人船を出すことはできない人が多いです。
戦後からは個人船を出す人も増えてきましたが、それまでは富裕層向けのものとなっていました。昔は船を運んだあと、実際に海に流していましたが、現在では運び終えると中身を出し、船を解体してしまうところが多いようです。
船の中には遺影や位牌、提灯などが入れられています。
戦後からは個人船を出す人も増えてきましたが、それまでは富裕層向けのものとなっていました。昔は船を運んだあと、実際に海に流していましたが、現在では運び終えると中身を出し、船を解体してしまうところが多いようです。
船の中には遺影や位牌、提灯などが入れられています。
爆竹で魔除けを行う
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大音量となる爆竹にも意味があります。爆竹とは、竹や紙の筒に火薬を詰め、導火線に火をつけて爆発させるという花火の一種です。
長崎は鎖国中も中国と交流を持っていたことから、中国の爆竹文化が伝わり、それが今も続いていると考えられています。中国では2,000年前には爆竹が作られていたようです。
爆竹を鳴らすことで魔除けができると信じられています。また、昔は魔除けと同時に、大きな音に驚いて獣など生活を脅かすものが逃げていくと信じられていました。
長崎は鎖国中も中国と交流を持っていたことから、中国の爆竹文化が伝わり、それが今も続いていると考えられています。中国では2,000年前には爆竹が作られていたようです。
爆竹を鳴らすことで魔除けができると信じられています。また、昔は魔除けと同時に、大きな音に驚いて獣など生活を脅かすものが逃げていくと信じられていました。
さだまさしが歌う「精霊流し」とは異なる
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長崎県出身の歌手として知られるさだまさしは、長崎県の精霊流しをテーマに作詞した「精霊流し」という曲があります。
しかし、実際の精霊流しと、曲の中で歌われている精霊流しとでは大きな違いがあるようです。ここでは、その違いについて紹介します。
しかし、実際の精霊流しと、曲の中で歌われている精霊流しとでは大きな違いがあるようです。ここでは、その違いについて紹介します。
「精霊流し」の歌詞
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さだまさしの「精霊流し」では、水難事故で亡くなった母方の従兄を思い、恋人目線で偲ぶ詩を書いたと言われています。実際に、曲中ではさだまさしがか細い声で歌っており、歌詞もしんみりしています。
「二人でこさえたおそろいの浴衣も今夜は一人で着ます 線香花火が見えますか空の上から」や「あなたの愛した母さんの今夜の着物は浅黄色 わずかの間に年老いて寂しそうです」などの歌詞から、静かに故人を送る姿が思い浮かぶ人も多いでしょう。
「二人でこさえたおそろいの浴衣も今夜は一人で着ます 線香花火が見えますか空の上から」や「あなたの愛した母さんの今夜の着物は浅黄色 わずかの間に年老いて寂しそうです」などの歌詞から、静かに故人を送る姿が思い浮かぶ人も多いでしょう。
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