2020年3月4日 更新

世界七不思議とは?古代古典の七不思議や新・世界七不思議を解説!

科学技術が進歩した現代においても、世界には、何のために、どのようにして作られたか分からないようなものがあります。中でもモアイやナスカの地上絵は謎だらけで、よくテレビなどでも特集が組まれていますね。今回は世界七不思議を古代編と現代編に分けてまとめました。

世界七不思議の謎まとめ

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「世界七不思議」と聞くと、謎めいていて真実が解明されていないものを指すことを想像する人も多いのではないでしょうか。

実は世界七不思議は英語でSeven Wonders of the Worldと言い、このwonderとは「賞賛すべき、驚かせるもの」という意味です。つまり、世界七不思議とは世界の素晴らしいスポットを7つ取り上げたものです。

日本でオカルトブームが広まったことで「七不思議」と訳され、いかにも謎がたくさんあるスポットのように扱われるようになってしまいましたが、実際には科学的に証明されていることが多いです。

今回は古代と現代に分けて世界七不思議を紹介します。また、新世界七不思議に惜しくも選ばれなかったスポットも紹介します。

世界七不思議【古代】

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古代の世界七不思議は地中海地方に集中しています。数学者として旅をしていたフィロンという人物が地中海地方にある7つの巨大建造物を取り上げ、紀元前2世紀に本にまとめたためです。

技術の進歩によって、ほとんどの建物はいつ頃、なんのために、どのようにして作られたのかは分かっていますが、中には文献の紛失などによって詳細が分からないままのものもあるようです。

では、早速フィロンが選んだ古代の世界七不思議をひとつずつ紹介していきます。

ギザの大ピラミッド

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古代の世界七不思議の中で現存する唯一のスポットが「ギザの大ピラミッド」です。エジプトの首都カイロから1時間ほどのところにあるギザにあり、近年は近くにホテルも建ち始めて更に観光客が多く訪れています。

正確な建築時期は分かっていませんが、およそ4,500年前に建てられたクフ王のピラミッドとされています。高さはビル40階に相当する146mで、14世紀までは世界一高い建築物でした。

1つ2.5トンもの石灰岩を280万個も積み上げて作られています。建築方法については3つの説があり、どのように作られたのかははっきり分かっていません。また、研究チームはピラミッドの中に未発見の空間がある可能性を指摘しています。

1日の入場者数が決められているため、どうしてもピラミッドが見たいという人は朝の早い時間に訪れることをおすすめします。

バビロンの空中庭園

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現在のイラクの位置にあった古代都市バビロンには「空中庭園」がありました。まるで空に浮いているように見えたことからこの名前が付けられましたが、実際には階段を何層にも作った庭園です。

紀元前600年頃のネブカドネザル2世の時代に作られたとされていますが、発掘されたのは20世紀に入ってからであり、文献資料も残されていないことから未だ謎に包まれています。

また、バブロン内にあったことは分かっていますが、正確な位置も解明されていません。更に空中庭園は存在しなかったと唱える学者もいます。これから新たな発見がされれば、当時の建築技術などがさらに分かってくることでしょう。

エフェソスのアルテミス神殿

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現在のトルコの位置にあり、エファソスという都市にあった「アルテミス神殿」も世界七不思議のひとつに数えられます。紀元前7世紀から紀元前3世紀に存在したと見られ、狩りと純血を司るギリシアの女神アルテミスを祀ったものです。

彼女はオリオン座の由来ともなった女神であり、彼女の処女性は広く信仰されていました。現在エファソスに残っているのは復元された1本の柱のみであり、アルテミス神殿は残っていません。

火事などで焼失しつつも再建されていましたが、キリスト教が伝来したことで衰退してしまいました。1869年に考古学探検隊がアルテミス神殿の発掘に成功し、発掘された柱の一部などは大英博物館に展示されています。

ハリカルナッソスのマウソロス霊廟

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ハリカルナッソスとは、現在のトルコがある位置にあった古代ギリシア都市です。世界七不思議とされているのは、「マウソロス霊廟」であり、ハリカルナッソスを有名にしたスポットでもあります。

マウソロスはアケメネス朝ペルシアの州知事であった人物で、カリア国の首都であったハリカルナッソスとその周辺地域を24年に渡って統治していました。ギリシアに憧れ、それに劣らない都市を作ろうと奮闘しました。

しかし、妻のアルテミシアよりも早く亡くなってしまいます。妻は世界で1番壮麗な墓を夫のために作ってあげたいとの思いからマウソロス霊廟ができたとされています。その2年後に妻も亡くなり、同じ場所に収められました。

度重なる地震などで建物は壊れ、今では遺跡だ残るのみとなっています。また、宝や遺体は何者かに奪われてしまいましたが、現在でも発掘されたものやミニチュアの模型は大英博物館などで見ることができます。

オリンピアのゼウス像

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ゼウス像があったのは、1989年に世界遺産に登録されたギリシアの古代都市、オリンピアでした。紀元前435年に彫刻家のペイディアスによって、ギリシアの全知全能の神として知られる天空神ゼウスの像が作られました。

座像ですが全長12mの巨大な像であり、ゼウス神殿の中に収められていました。オリンピアでは4年に一度ゼウスに捧げるオリンピア競技が行われており、これが古代オリンピックです。

この期間中は戦争も休戦し、女性の観戦は許されませんでしたが、ギリシア全土から多くの人が訪れました。ゼウス像は古代オリンピックの本尊の役割を担っていたと言われています。

394年にオリンピアからビザンツ帝国のコンスタンティノープルに移されましたが、5世紀頃の火災によって消失してしまいました。

アレクサンドリアの大灯台

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「アレクサンドリアの大灯台」は、エジプトのアレクサンドリア湾の端に人口埋め立てによってできたファロス島に建てられていた灯台です。

紀元前332年に海洋貿易の拠点としてアレクサンドリアが作られましたが、土地が平坦で陸標がなかったため灯台が作られることになりました。こうして紀元前305年から工事を始めたのです。

灯台の高さは134mにも達し、大ピラミッドに次ぐ高さを誇っていました。しかし、14世紀の2度の地震によって倒壊し、資金不足から建てなおされることはありませんでした。

現在はカイト・ベイ要塞が建っており、灯台が立っていた当時の様子を見ることはできません。

ロドス島の巨像

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ギリシャにあるロドス島は旧市街が世界遺産に登録されていることでも有名です。島の中にあるマンドラキ港には鹿の像があり、ここにはかつて巨像がありました。

ロドス島の巨像は紀元前292年に戦いの勝利を記念して作られ始めました。完成したのは紀元前280年とされており、自由の女神像に匹敵する大きさだったようです。

しかし紀元前226年の地震によって膝から折れてしまいました。再建も計画されましたが、住民は像が壊れたのは神の怒りに触れたからだとして再建を拒否しました。現在は見ることができない、幻の世界七不思議とされています。

新・世界七不思議【現代】

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古代の世界七不思議が人々の間で広まると、現代版の世界七不思議を作ろうという動きが出てきました。冒険家のベルナルド・ウェーバーによって考案され、2007年に世界中で投票によって決められました。

スイスに拠点を置いてある「新世界七不思議財団」によって作られた新世界七不思議ですが、ユネスコは世界遺産やユネスコとの関連性はないとの声明を発表しています。

では、世界中の人々が選んだ新世界七不思議を紹介していきます。

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