2019年8月16日 更新

リュウグウノツカイは地震の前触れ?過去の事例や地震との関連性

リュウグウノツカイは、その神秘的な名前に似合う不思議な姿をした深海魚です。普段は海の底深くに住むリュウグウノツカイが岸辺に上がってくるのは地震の前触れとされ、恐れられています。本当にリュウグウノツカイは地震と関係があるのでしょうか。

鳥が異常に鳴く

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「夜キジ(ニワトリ)鳴くは地震あり」、「鳥が早口で鳴けば地震あり」という言い伝えがある通り、鳥は地震の前に異常に鳴き騒ぐとも考えられています。阪神淡路大震災の前にも、「鳥が飛び立ち神戸地区より移動した」、「小鳥が騒いだ」という証言があります。特にカラスや水鳥が震源地から逃げていったとも考えられています。

鳥の羽毛は電気を通しませんが、地上に降りれば足で地電流を感知することができます。また、電磁波なら空を飛んでいても感知することができます。鳥は地電流や電磁波を敏感に感じ取り、地震が来ることを読み取れるのではないかと考え、研究をしている人もいます。

ベニススメやインコを使った実験では、電場の異常を感じると羽を膨らませる、痙攣する、高い声で鳴くといった反応が見られたそうです。しかし、反応には個体差があり統計学的に信頼できるデータが集めにくいため、そういった行動を地震予知と結びつけるのは難しいようです。

ミミズが地面に出てくる

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「寒中にミミズ出る年地震あり」という伝承があるように、ミミズも地震を感知する能力を持っていると考えられています。

実例を挙げると、1977年3月に発生したルーマニア地震では、地震発生半日前に、雨も降らないのに何万匹というミミズが出てきたとのことです。阪神淡路大震災前にも、「ミミズがたくさん地上に出て死んでいた」、「ミミズが団塊を作っていた」との報告があります。
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ミミズも魚と同じく電流を嫌い、電圧をかけると逃げていきます。また、ゴカイを使った実験では、電圧をかけるとお互いの陰に隠れるようにして団塊を作ります。その方が一匹当たりの電流量が減るからだと考えられています。ミミズが地震前に地上に現われるのは、地震前に発生する地電流を感知しているからかもしれません。

他にも、「蛇が冬でも出てきてのたうち回ると地震」、「赤トンボ、群れて出ずるは地震の兆し」ということわざがあります。小さな生き物たちも環境の変化を敏感に感じ取っているのです。

地震の前触れとされる気象現象

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私たちが生きる大地そのものが激しく揺れ、全てを破壊していく地震は、自然現象の中で最も規模が大きく、最も恐ろしいものです。であるならば、その前触れとして、様々な自然現象が起こってもおかしくはありません。地震の予兆とされている自然現象についてご紹介していきましょう。

火山活動の活発化

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先ほど、地震はプレートの境目で起こるとご紹介しましたが、地震の中にはプレート由来のものではなく、火山の活動から起こるものもあります。これを「火山性地震」といいます。火山性地震は大きく分けて噴火にともなうものと、火山内部の活動に関したものがあります。

一般的には規模が小さく、無感地震となることが多いようですが、2000年に発生した伊豆諸島北部群発地震では最大震度6弱の地震を6回観測し、土砂崩れで1人が亡くなるなど、大規模なものになりました。

また、プレートの境目で起こる地震に関しても、火山活動との関連性があると考えられています。平安時代に起こった3回の地震では、その前に必ず富士山の噴火がありました。また、地震の後に火山の噴火が起こる危険性もあります。地震が地殻内に存在するマグマだまりに影響を及ぼし、火山噴火を誘発すると考えられていますが、はっきりしたメカニズムは分かっていません。

地震雲

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地震の前には、その予兆となる形の雲が空に現われるとも言われています。これを「地震雲」といい、その特徴は様々です。よく言われるのが、「広く晴れ渡った空に突然一筋の帯状雲が現れ、3時間以上散らない場合は要注意」ということですが、帯状雲自体は別段珍しい雲ではなく、見分けるのは難しいでしょう。また、レンズ雲、笠雲、波状雲が地震前に現われるとも言われるほか、阪神淡路大震災の前には、竜巻型の雲が観測されています。

地震雲自体が存在するか分かっていないので、なぜ地震雲ができるのかもはっきりとは分かっていませんが、一説には地震前に発生する電場で大気分子が電離しイオンになると、水滴を作る核ができて雲ができるとも考えられています。同じ原理で地震の前に霧が発生するとも言われ、それは「地震霧」と呼ばれています。

地震光

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地震の前には、不思議な光が見られることがあります。この現象は紀元前373年の古代ローマをはじめとして、世界各地で観測、記録されています。これを地震光と言います。地震光は火の玉、火柱、オーロラに似た帯状の光など様々な形状がある他、色もピンク、赤、青、白っぽい色、虹色などと表現されます。

地震光の原因としては、空電現象、地震によって地割れ部分の鉱物が衝撃で発光した、ラドンが断層から噴き出てその放射線で大気が電離して発光した、心理的錯覚、雷を見間違えたなど諸説あります。

空に輝く光と言えば美しく神秘的に感じられますが、オーロラも中世ヨーロッパや中国で不吉な前兆ととらえられていたように、人は美しいものは恐ろしいものをもたらすと考え、恐怖を抱くのかもしれません。

地鳴り

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地震の前には地鳴りといって、地面が震えて音が鳴る現象が起こることがあります。地鳴りと地震の関係について研究をおこなっているケンブリッジ大学のハンフリーズ氏は、「地震の発生前には岩盤が音をたてる。これは、岩盤の表面が別の表面と擦れあって鳴る音だ」と語っています。

その音はドアがきしむような音で、地震の1週間前には発生するだろうということで、もしもこの音をとらえることができれば、地震を予知することが可能となりますが、まだ研究段階だということです。

また、地震直前にゴーッという大きな地鳴りが聞こえることがあります。これは初期微動(P波)が地面に達したときに鳴る音で、その後すぐに本震(S波)が来るので、地震予知としては遅過ぎて当てにできません。

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