2021年4月16日 更新

ナイチンゲール症候群とは?ナイチンゲール症候群の恋は上手くいく?

恋愛は「一時の気の迷い」「ただのかん違い」と言われることもあります。ナイチンゲール症候群から始まる恋愛は、まさに「かん違い」とされるものです。そしてそれは「ストックホルム症候群」と呼ばれるものに似ています。ナイチンゲール症候群とはいったい?

ナイチンゲール症候群の意味とは?

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恋といっても、学校や職場、街中で出会って恋に落ちる恋ばかりではありません。中には病院の中など、少し特殊な場所で発生する恋もあるでしょう。そうした恋の一つとして「ナイチンゲール症候群」というものがあります。

ナイチンゲール症候群とは、主に看護師が自分の担当している患者に対して恋心を抱いてしまう恋のことを言います。仕事で相手の面倒を見て尽くしているうちに、それを恋愛感情だと思い込んでしまうのです。そんなナイチンゲール症候群がどんなものなのか、似た恋愛の紹介も含めてチェックしていきましょう。

ナイチンゲール症候群の起源

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ナイチンゲール症候群は、19世紀後半の看護先駆者フローレンス・ナイチンゲールに因んで名付けられた言葉です。ナイチンゲールは、戦争での看護による献身で、彼女が初めて病院で始めた夜の巡回に因んで「ランプの貴婦人」と評されました。

彼女の献身的な看護は医療者だけではなく、一般の人にも広く知られています。世界で最も有名な看護師といっても良いでしょう。だからこそ、看護師が落ちる恋であるナイチンゲール症候群にも名前が使われるようになったのです。

実際のナイチンゲール

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1820年5月12日 - 1910年8月13日まで生きたナイチンゲールは、イギリスの看護婦、社会起業家、統計学者、看護教育学者です。近代看護教育の母で、病院建築でも非凡な才能を発揮しました。

統計に基づく医療衛生改革で、クリミア戦争での負傷兵たちへ献身し、彼女の誕生日である5月12日は国際看護師の日とされました。現在はキングス・カレッジ・ロンドンの一部となっていますが、ロンドンの聖トーマス病院に付属して、世界初の宗教系でない看護学校ナイチンゲール看護学校を設立しました。

フローレンス・ナイチンゲールについて

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貴族階級である男爵の下に位置し、貴族とともに上流階級を構成する裕福なジェントリの両親の2年間の新婚旅行中にフィレンツェで生まれ、フィレンツェの英語読み『フローレンス』と名づけられました。

幼少期は、贅の限りを尽くした教育を受けましたが、慈善訪問の際に接した貧しい農民の悲惨な生活を目の当たりにするうちに、徐々に人々に奉仕する仕事に就きたいと考えるようになりました。

それほど献身的な彼女でしたが、実は「ナイチンゲール症候群」のように実際に患者と恋に落ちたという事実はないと言われています。むしろ、「看護の邪魔になるから」と求婚されても断っていたという説もあります。そのため、ナイチンゲール症候群は彼女の行動ではなく、イメージから名づけられたものだと考えても良いでしょう。

慢性疲労症候群

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1854年にクリミア戦争が勃発し、戦争の前線での負傷兵の扱いがいかに悲惨な状況となっているかが伝えられるようになると、一気に世論は沸騰し、ナイチンゲールは看護婦として従軍する決意を固めました。

夜回りを欠かさなかったことから「光を掲げる貴婦人」「ランプの貴婦人」とも呼ばれました。「天使とは、美しい花をまき散らす者でなく、苦悩する者のために戦う者である」という看護スタイルでした。

看護婦として負傷兵たちに奉仕したのはクリミア戦争従軍時の2年間だけで、37歳の時に心臓発作で倒れ、慢性疲労症候群から虚脱状態に悩まされ、死去するまでの約50年間はほとんどベッドの上で本の原稿や手紙を書いて過ごしました。

逆ナイチンゲール症候群の意味とは

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既に紹介した通り「看護師が患者に恋をする」のがナイチンゲール症候群です。しかしながら「お世話をする人が看護師で、お世話をされるのが患者」というイメージが強いため、「ナイチンゲール症候群=患者が看護師に恋をする」と誤解している人がいます。

患者が看護師を好きになる現象は、ナイチンゲール症候群とは正反対です。そのため、その名の通り「逆ナイチンゲール症候群」という呼び方をされることもあります。先入観から間違って覚えてしまいがちですので、この機会に「ナイチンゲール症候群は看護師が患者を好きになること」だと正しく覚えておきましょう。

転移性恋愛と誤解している人は多い

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逆ナイチンゲール症候群は、正しくは「転移性恋愛(transference love)」と呼ばれます。これはナイチンゲール症候群とは逆で、患者が自分に対して優しく接してくれて、自分のことを理解してくれる医療者に向けて恋愛感情を抱く現象のことを呼びます。

実際、入院中に医師や看護師に対してアプローチをかけるほど積極的な患者も少なくはありません。そうした事例が知られているので、ナイチンゲール症候群より転移性恋愛の方が知名度が高く、聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

ナイチンゲール症候群は本当にある?

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こうした「〇〇症候群」は、自分の普段の生活とは縁遠い場所にあることもあり、実際に存在しているかどうか疑わしいという人も多いのではないでしょうか。そこで、ここではナイチンゲール症候群が実際にあるのかについて解説していきます。

内科系はほとんどない

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様々な診療科の中でも、内科系は高齢者が多くなりがちな診療科として知られています。ナイチンゲール症候群も患者であれば誰でも好きになるわけではなく、自分と相性が良い人を好きになるものです。そのため、圧倒的に同年代が対象となることが多いでしょう。

内科系の場合、看護師に比べて平均年齢が高くなりがちなのでナイチンゲール症候群が成立しづらいと言われています。また、若くても内科系に長期入院している人は重病で恋愛どころではない可能性が高いため、内科系ではほとんどナイチンゲール症候群は見かけられません。

外科系に多い

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