2019年7月14日 更新

プルースト効果で記憶が呼び戻される?この効果の意味と活用方法

香りを嗅いだことにより昔の人や過去の出来事を思い出した経験が誰しもあるのではないでしょうか。このような現象を「プルースト効果」と言いますが、勉強やダイエット、恋愛など様々な場面で活用ができます。プルースト効果の意味や活用方法などについてご紹介していきます。

プルースト効果を使い勉強に関する実験を行った例もあります。偏差値がほぼ同じくらいの小学生15人に、香りつきの消しゴムの匂いを嗅ぎながら漢字を覚えもらい、習っていない漢字を全10問、暗記時間は30分とった後、2時間時間をあけてからテストをしました。

その結果、香りつきの消しゴムの匂いがない状態のテストは、正解率が75%でしたが、香りつきの消しゴムの匂いを嗅ぎながらのテストでは、正解率が83%でした。

このように、プルースト効果を活用することで、記憶が定着しやすいという実験結果になりました。

記憶喪失を治すきっかけにもなる

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プルースト効果は、記憶喪失を治すきっかけにもなりますが、このように治すきっかけとなった実際のエピソードがあります。

交通事故によって記憶喪失になった少年は、両親のことも親友の名前も思い出せない日々が続き、記憶が完全に回復することがなく10年が経ちました。

しかし、ある日突然に記憶の一部を思い出したのです。そして、思い出すきっかけとなったのが香りによるものでした。匂いを嗅いだことによって、その香りと結びついている記憶を取り戻すことができたのです。

このように、匂いと関係している体験は、忘れていても記憶としてしっかりと残っているということです。

プルースト効果が発動する理由

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匂いを嗅ぐことで、その匂いと関係している出来事や人などを思い出すというのがプルースト効果ですが、ではなぜそのように匂いによって、記憶が戻るのでしょうか。

プルースト効果が発動する理由についてご紹介していきます。

詳細はわかっていない

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プルースト効果でよみがえる記憶は、「これまでに自分が経験した出来事に関係している記憶」とされています。ですので、プルースト効果が起こるには、実際に自分が体験した記憶と匂いが結びつかなければいけません。

このように、匂いを嗅ぐことによって過去の記憶がよみがえるという仕組みです。そして、プルースト効果が発動する理由については、多くの研究が行われてきました。

仕組みについては匂いを嗅ぐことによって起こるのですが、その理由についての詳細はいまだわかっていません。

大脳辺縁系に繋がっている

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プルースト効果が発動するのには、まず鼻から入った匂いは、「嗅上皮から嗅細胞(嗅毛)へと進み、嗅球から大脳辺縁系へと移動します」

この大脳辺縁系は、食欲や睡眠欲などのように本能的欲求や喜怒哀楽の感情を司っている機関です。そして、嗅覚は大脳辺縁系と結びついており、五感のなかで嗅覚だけが大脳辺縁系と繋がっています。

このように、匂いは本能的欲求や感情に直接繋がっているため、匂いと記憶、感情などと密接に関係をしています。

視覚や聴覚は身を守るために必要

Eye Blue Iris - Free photo on Pixabay (477454)

プルースト効果が発動する理由についてはいまだわかっていませんが、2つの仮設が立てられます。1つ目は視覚や聴覚は身を守るために必要ということが言えます。

たとえば、昔の時代には人間は外敵から身を守りながら生活をしていました。そのようなとき視覚や聴覚は、敵が近づいてきているか判断するために重要な感覚機能です。

ですが、敵が身を潜めている場合もあります。その判断をするときには嗅覚で敵の居場所を嗅ぎわけられると、より身を守ることができます。

このように、昔から視覚や聴覚は身を守るために必要な機能とされてきましたが、現代でも同じように「なんだか危なそうな人だな」「この先は危なそうだから進むのをやめて引き返そう」、などのように視覚や聴覚を使って判断し身を守っています。

食べ物が腐ってるなど見極められる

Vegetables Ingredients Fresh - Free photo on Pixabay (477457)

視覚や聴覚は身を守るために必要な機能ですが、嗅覚を使っても身を守ることができます。敵が身を潜めていた場合、嗅覚で敵の居場所を嗅ぎわけれるとより身を守りやすくなります。

このように嗅覚(匂い)で見極められることが2つ目の仮設となります。たとえば、食べ物が腐っているかなど匂いを嗅ぐことで判断することができます。

うっかりと忘れていた食材を発見したことはないでしょうか。その場合、見た目で判断できなければ匂いを嗅いで判断をすることもあります。

それは、腐ったものの匂いというものがインプットされているからです。そしてそのことにより腐っていると見極められることができます。

プルースト効果を利用して記憶に残る人になる方法

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プルースト効果を使うことで、相手の記憶に残るようにしていくことができます。また、それぞれの場面によっても使い方が違ってきます。

プルースト効果を利用して、記憶に残る人になるための活用方法をご紹介していきます。

不快な匂いよりも良い匂い

Essential Oils Alternative Aroma - Free photo on Pixabay (477462)

研究によると、プルースト効果を得るにはどのような匂いでもいいわけではない、ということが分かっています。香りのなかにも不快感を与える匂いというのもあります。

快な匂いは不快な匂いより快の感情特性をもつ自伝的記憶が喚起されやすいため、良い匂いは良い記憶として、悪い匂いは悪い記憶として結びつきやすくなります。

ですので、良い香りを漂わせることで良い記憶として残っていくことができます。反対に悪い香りは悪い記憶と結びついて残っていきますので、記憶のなかの印象が悪くなってしまうということです。

そのため良い香りをつけて良い記憶と結びつくようにしていきましょう。

複雑な匂いよりもシンプルな匂い

Suites Chocolate Cake - Free photo on Pixabay (477480)

匂いで記憶に残る人になるためには、良い匂いにすることがありましたが、複雑な匂いよりもシンプルな匂いを選ぶようにしましょう。

たとえば、「チョコレート」「ストロベリー」「ストロベリーチョコレート」の3つの匂いがあるとします。チョコレートとストロベリーは、匂いがそれぞれ記憶に繋がりやすいのですが、ストロベリーチョコレートは、ぼやけてしまいます。

ですので、ストロベリーチョコレートのように、2つの匂いが混ざっているとプルースト効果が得られにくくなりますので、シンプルな匂いにしましょう。

単純な匂いの香水を身にまとう

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