2021年5月25日 更新

ヘアドネーションは意味がない?噂の発端や人毛が望まれる理由も

口コミや芸能人によって、ヘアドネーションという活動が注目を集めています。しかしその一方で、髪の毛を寄付しても無意味であるという噂もあります。今回は、この噂に注目し、その発端やウィッグに人毛が望まれる理由について解説します。

目次

ヘアドネーションは意味がないというのは誤解!

Blowing Soap Bubbles - Free photo on Pixabay (481246)

近年、医療用ウィッグを必要とする人たちのために、人毛でのウィッグが作られるようになりました。今までの化学繊維を用いたウィッグに比べて格段に本物のように違和感なく着用することができます。

髪を切る際、女性であればロングからショートにする場合、かなりの髪の毛を切ることになります。しかし、今までは当然のように捨てられてきました。今までは無駄とされてきたカットされた髪の毛も、ヘアドネーションによって必要な人の手に渡るようになったのです。

その一方で、実はヘアドネーションは意味のないものではないかという噂も広がりつつあります。今回は、ヘアドネーションの噂について、真偽のほどと噂の発端について解説します。

そもそもヘアドネーションとは?

Guitar Case Street Musicians - Free photo on Pixabay (481248)

口コミやSNSでどんどん知られるようになってきましたが、まだヘアドネーションについて詳しく知らない人も多いことでしょう。少しでも活動を知ることで、多くの人が協力してくれるようになるかもしれません。まずはヘアドネーションについて紹介します。

髪の毛の寄付

Nature Woman Beauty - Free photo on Pixabay (481249)

ヘアドネーションはその名前の通り、髪の毛を寄付することを意味します。小児がんや不慮の事故によって髪の毛を失ってしまった子供達のために、人毛を用いたウィッグを作って無償で提供しています。

アメリカのLocks of Loveという団体が始め、日本でも2009年にNPO団体によって活動が始められました。最初は知名度の低さからなかなかウィッグを作るまでに至りませんでしたが、芸能人がヘアドネーションに協力したことで徐々に広まっていきました。

医療用のウィッグとして活用される

Girl Happy Autumn - Free photo on Pixabay (481250)

がんを患い、抗がん剤の治療が始まると、薬剤の種類によっては頭髪が抜け落ちやすくなるものがあります。投薬開始からすぐに抜け落ちるわけではありませんが、約1ヶ月半後には90%の髪の毛が抜け落ち、3か月後くらいにはすべて無くなると言われています。

頭皮を保護する目的でも使用される医療用ウィッグですが、実は精神的に支える役割を担っています。今まで髪の毛があるのが当たり前だった生活から、急に髪の毛が無くなり、特に女性にとってはショックが非常に大きいです。

髪の毛が抜け落ちることが予め分かっている場合には、早い段階で医療用ウィッグの準備を始める人もいます。

小林麻央が利用したことで注目を集める

Pink Ribbon Breast Cancer - Free photo on Pixabay (481251)

乳がんを患い、辛い治療に耐えながらも若くしてこの世を去ったタレントの小林麻央さんが、ヘアドネーションについてブログで記したことから急激に広まりました。

自身も髪の毛が抜け落ちるようになってからはウィッグを着用しており、人々に元気と勇気を届けていました。そして、ある日のブログでは、抗がん剤治療を始める際に長くのばしていた髪を切って寄付したらよかったと後悔していると記したのです。

この後悔の念を晴らそうと、多くの人がヘアドネーションについて知り協力するようになりました。自身が闘病しながらも同じ境遇の人への思いやりを忘れない彼女の優しい心は今も人々に伝えられています。

ほとんどが無償で提供される

Christmas Gift Holiday - Free photo on Pixabay (481253)

団体によって異なりますが、ほとんどの団体では人毛からできた医療用ウィッグは必要とされる人に無償で提供されています。有償になってしまうと、治療にお金のかかる闘病者の更なる負担になったり、高額になるために必要としていても手が届かなくなったりします。

病気にさえならなかったら、事故にさえ遭わなかったら今まで通り髪の毛はあったでしょう。少しでも自然な髪の毛に近いウィッグを手に入れるのは当然の権利です。無償でウィッグを提供することは特別扱いではありません。

「ヘアドネーションの意味はない」という噂の発端

News False Concept - Free image on Pixabay (481261)

ヘアドネーションは、規定通りに行えばとても役に立つものです。「ヘアドネーションの意味はない」という噂は全くのでたらめであり、正しい情報ではありません。

しかし、ヘアドネーションについて調べたら必ずと言っていいほど、まるで意味がないかのように書かれている記事を目にします。では、どのようにしてその噂が立ってしまったのでしょうか。

化学繊維によってかつらが作成できるため

Sewing Thread Craft - Free photo on Pixabay (481263)

医療用ウィッグといっても種類は様々であり、価格も1万円以下で手に入れられるものから高額なものは30万円以上するものもあり、幅広いです。

安いものは化学繊維を用いて作られているため、ウィッグを無償提供していると知ると、せっかく寄付した髪の毛は使わず、安い化学繊維を使って作っていると勘違いする人もいます。

その間違った知識が元で、ヘアドネーションは髪の毛を寄付しても使われることなく廃棄するという噂が立ってしまいました。実際には人毛100%で作られており、加工の過程でしょうがなく使われることもありますが、化学繊維は最小限に抑えられています。

既定以下の長さにより利用できなかったため

Portrait Woman People - Free photo on Pixabay (481293)

ヘアドネーションは15cm以上または30cm以上の髪の毛が必要となります。それ以下の髪の長さではかつらを作ることができず、せっかく伸ばして髪の毛を切っても受け付けてもらえません。

必要ないものを大量に送られても、それが好意だったとしても迷惑をかけることがあります。ヘアドネーションについてよく調べず、自己流でカットして送った結果、断られたことでヘアドネーションは送っても断られるという誤った認識をしている人もいます。

取扱店以外に持ち込んだ・打診したため

Witch Prohibition Witches Shield - Free photo on Pixabay (481294)

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